071 視察ガ、の書き方 投稿者:たかひろ  投稿日: 6月10日(木)10時31分35秒

緑さん、少し具体論をさせてください。
V式(ご存じないかたは下記のHPを見てください)
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Lounge/5164/nyumon1.htm
において、試算、試作、は見事になめらかに書けます。曲線の融合による一線化の
たまものです。視察、も同様になめらかに書けます。
これなどは、初級の書き方で高速の速記に対応できるわけですから、V式の
威力だと言えます。
それで、そのあとに助詞「ガ」がつくとどうでしょうか。
視察ガ、は、試算ガ、試作ガ、と紛らわしくならないでしょうか。
その場合に「視察ガ」のツを促音の表記をもちいれば、他の二つとの紛らわしさが
なくなります。
こういう場合は、高度な書記技能を持っていれば、促音の書き方にしなくとも
この3とおりのかき分けができるかもしれないのだけれど、
初級の人はそうではないので、むしろ、初級の人にこそ
ツをッの書き方で代用できることを教えてあげればよいのではないかと、私には
思えるのですが、いかがでしょうか。シサッガ、とは読めませんし。
(V式の上級者は、教えられなくとも、ッツの適宜の書き分けをすると思います。)


072 では、サツイは 投稿者:たかひろ  投稿日: 6月10日(木)09時54分28秒

緑さん、初級の段階でのツとッの件に関してのご説明をありがとうございました。
やはり実際に自分の方式を指導しておられるかたのおっしゃることには
重みを感じます。
それで緑さんご自身は、いま、字音の2音目のツで促音にはならない場合に、
促音の表記を流用することもあるのですね。
たとえば、サツイ、サクイ、サンイ、のように、
かき分けが難しい場合には、サツイは促音で書いた方がよいと思うのですが、その場合でもあくまでもツは小楕円で書かれるのでしょうか。


073 最大公約数 投稿者:緑匣  投稿日: 6月 9日(水)22時09分10秒

「たかひろ」さま
 「失礼の段……」とお書きいただきましたが、決してそんなことは思っておりません。むしろご意見をいただき、非常にありがたく。

 ただ、前回も少し触れましたが、初歩の段階ですなおに導入しやすくするためにはどうすればいいか。まずわかりやすく、例外をなくし、覚える量を減らす、そういう方針で素材を厳選して提供する。その素材で個人利用のレベルに早く到達する。
 私個人の速記設計に対する心構えのようなもので、高度な段階ではいろんな意見を取り入れた法則なり例外規定が出てくるのは当然のことだと思います。

 「ツ」・「ッ」、「ン」・「ク」等、初心者は「小円・長円・大円」はきっちり止めて書きます。それを止めずになめらかに書くと楽に書けますよと教えるわけです。自然と書き分けできる状態からスタートして、徐々に書きやすい方向に進めていくのがいいのじゃないかという発想です。異音同記は、少なくとも初歩の段階では、あるよりない方がいいのじゃないかと思います。
 過去にもKさんが、書きやすさを追究して、単群の中で「か行」が書きにくい場合は逆回転の「な行」を使うことで解決するという書法を発表され、それを使いこなしている人もいます。
 ただ、日本語と速記符号とがある程度なじんでからでないと、初心者にいきなりそれを持ち出すと、混乱することになりかねないかと心配をするわけです。
 また、「ツ音」にはストローク密着長円ではなく、独立長円(原始田鎖式のイ・ウ・オ列で使っている附属楕円)を使い、密着楕円は「シ音」及び「さ行同列縮記」に使っておられます。このように高度な段階でいろいろ工夫されて実際に使われています。

 現在CAV(パソコン反訳の機械速記)の開発に携わっていますが、これも打ちにくい打ちやすいの感じ方が各々違います。キーボードの種類も違えば、全体の手指の長さや他の指との比較差も各人さまざまです。そうなると、打ちにくいのは頻度の低いものにあてるとか、いずれ例外等で処理しなければならないでしょうが、少なくとも初歩段階ではできるだけ理解しやすい、例外のない、記憶量の少ないというような、客観的に評価できるシステムに構成することが望ましいことかと思ったりしております。
 実際のところ、手書き符号にせよ機械符号にせよ、自分がこうだと思うことをどんどん取り入れるのが楽しいし、ストレスも起こらないんですが、それと最大公約数的な要素を取り入れた方式をつくることとは、どこかで抵触するところがあるんです。だから、いいなと思ったものでもすぐに取り入れるわけにいかないんです。最小公倍数にしていくと、果てしなく大きく広がってしまうんです。下手をすると、老舗旅館の建て増しみたいに、迷路のごとくになって、外に出られなくなってしまいます。

 なお、前々回「飛行ガナ」等の項では「荒木章」さんの名前だけ出しておりましたが、「金子秀重」さんもこの方式の蒐集発見に深くかかわられたそうです。よろしくご承知ください。

 この夏、8月22日の「速記科学研究会」は、名古屋で、「速記符号の進化」等をテーマに行われる予定です。この掲示板関連の方々のご参加、また点空式・線空式の紹介等もいかがでしょうか。


074 ツとッの区別(読み分け) 投稿者:たかひろ  投稿日: 6月 9日(水)18時00分24秒

日本語の速記でッとツの同記をした(語頭以外)として、
普通はそのあとの子音の種類によりどちらかしか読めないわけで、
いわば自然の読み分けができるのですが、
普通はッと読むところを逆にツと読む例が少しあります。
松木初子、松川達樹、達川厚志、三越、しつけ、暑く、ふらつく、などのように、
和語の2音目以降がツで、そのあとにkstなどが来る場合です。
字音の2音目のツとッの読み分けは、一つの単語の中では例外はない
はずですが、そのあとにある助詞などがきたら、kstなどの前のツがッにはならないで
ツのまま、ということはもちろんあります。
例:挨拶から(kの直前のツであるが、促音にはならない)
 建設し(sの直前のツであるが、促音にならない)
  解説とは(tの直前のツだが、促音にならない)
ですから、日本語において語頭以外のツとッを同記にしたとして、
完全に、そのあとに続く子音によって機械的に読み分けができるということでは
なく、したがってV式の「ツとッの区別」がまったく無意味ということにはなりません。
しかし、文脈まで含めれば、その読み分けができないということはまずないと
私は思います。
もし、そういうのがあるようでしたら、例を教えてくだされば
ありがたいです。

で、そういう読み分けが初級の人には無理だということであれば、
速記符号における(少なくとも初級段階での)ツとッの書きわけは、
必要だとも言えます。


075 初心者ほど、聞いたとおりに 投稿者:たかひろ  投稿日: 6月 8日(火)11時06分25秒

たとえば、「票」をどう読むのかといいますと、
1票ならpyou、2票ならhyou、ところが
3票、4票の場合は、まちまちで、hyou、byou、pyou、の
どれもあり得るのです。
そして、それを速記符号で書くときにはどうなるかというと、ベテランなら意味で受け取って、どれでもhyouと書くでしょう。
初級の人は自分が聞いたとおりに書くと思います。
でもpyouなんて音をそのまま用意している速記方式って、
めずらしいでしょうね。(^_^)
V式なら拗音、拗長音は自動的にできてきますから、簡単でしょう。
さすがにV式!という感じがします。


076 補足します。 投稿者:たかひろ  投稿日: 6月 8日(火)10時55分42秒

緑さんに、補足します。
先ほど私が書いた
《ところが漢音の2音めの「ツとン」「ツとク」は、続き具合によっては
書き分けが難しく、その場合には読み分けも難しくなります。特に、初心者には。》
これは、V式のインツクキのことについて述べたものです。


077 付け加えさせていただきます 投稿者:たかひろ  投稿日: 6月 8日(火)10時52分18秒

緑さんに
初心者には字音と和語音の区別はないでしょう。
「貼った」の「ハッ」は末尾交差を使うでしょう。
「開発」のハツは末尾楕円を使うでしょう。
では、発展のハッはどうでしょうか。
おそらく音韻本位で書き取って、末尾交差を使うと思います。
その場合は、自然に字音における「ツ」と「ッ」の書き分けをしていることになります。
それを緑さんが見て「字音の「ハツ」は常に末尾楕円を使うのであり、そのあとの音の
関係で「ハッ」になる場合でも、和語とは違うから末尾交差は使わない」、
という指導はなさらないと思います。
それならいっそ、「ツ」「ッ」はどちらも末尾交差、の方がわかりやすいし、
読み間違いもないし、と思うのですが……。

オーソドックスな中根式の場合には、インツクキが逆記なので、「発明」のハツも「発見」のハッも、同じ符号になるわけですが、その場合は厳密に言えば、促音を聞いて「実はこれは元は促音ではなくインツクキなんだからハツと同じに書く」という判断がいります。あるいは、インツクキを教えるときに「字音の2音めのッとツはどちらも同じものだから、同じに書く」と教えておく必要があります。
中根で「発揮」なら促音の省略を使っても書けるでしょうし、インツクキ逆記でハツを使っても書けるでしょう。
規範的には後者の方が正しいのでしょうが、実際にはどちらが書きやすいのか、どちらで書く人が多いのかは私にはわかりません。インツクキ順記の石村式では、発明のハツも発揮のハッも初級の段階から末尾交差です。

私の想像ですが、我が国の速記方式ではインツクキを逆記にしている方式を除けば、促音のッの書き方を字音の2音めのツやッに使って、それで問題なく書けている(読めている)のが多いのではないかと思います。
異音同記は、限られた線(書き方)を有効に使えるというメリットがある反面、うまく設定しないと読み誤るというデメリットがあります。早稲田式のウとタイなどは、初心者には危ない感じもします(鵜匠と大将、迂回と退会、羽化と退化など)が、ツとッはまったく自然に読めるので、その同記はインツクキを順記で表す方式では、やらにゃソンソンと私は思うのです。


078 ツとッの読み分け 投稿者:たかひろ  投稿日: 6月 8日(火)09時57分56秒

緑さん、お返事をありがとうございました。
ツとッは初心者にでも、まったく同記で読み分けられるわけです。
それは、そのあとにどういう子音が来るかということで、同じ書き方をどちらに読むのか
ということが自動的に決まるからです。
ところが漢音の2音めの「ツとン」「ツとク」は、続き具合によっては
書き分けが難しく、その場合には読み分けも難しくなります。特に、初心者には。

以上の理由で私は「ツとッは同記でよいのではないでしょうか」と
申しあげたのですが、
でも、緑さんは多くのかたにいまの形で指導されて、これでよし、と感じて
おられるのでしょう。
失礼の段、お許しください。


079 思いはいろいろ 投稿者:緑匣  投稿日: 6月 7日(月)22時02分29秒

「設計」と「創案」
 設計方針として、だれもが理解しやすい速記、3級程度までは基本の漢字音の縮記で十分到達可能であることを目指しました。
 「ツ」と「ッ」にしても、初心者のためには、区別できる方が容易に読み分けられますし、「ツ」と「ン」・「ク」が区別しにくい図形になる場合は、どちらかをくびらすとか、何らかの方法で読み分けられるようにしたらいいわけで、あくまで初心者にとってのわかりやすさを第一に考え、基本段階での例外は極力避けました。
 そんなわけで、速記に堪能な方にとっては物足りなさがあるのは当然で、いろいろと改良したい点が多くあると思います。しかし、基本のところを玄人好みにすると、研究者は満足できるかもしれませんが、初心者にとっては複雑さを増すことになるばかりで、とっつき悪さにつながるかと思いました。ですから、基本の段階はなるべく原始的なままにしております。(もっともっと符号いじりをすると楽しいわけですが、いじればいじるほど個人の趣味の世界か、オタクの世界に耽溺することになるので、遠慮しています。個人により評価する部分も違いますので、最大公約数的な方式を目指しました。)
 もちろん、次の段階で皆さんがいろいろ発展させることは全く差し支えありません。

タッチさんの「StenoWorld」
 ご紹介ありがとうございます。また、掲示板の10−11には数十年前の話も出していただき旧交が温められ、感謝しております。


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