思いつくまま書いてみました。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「たかひろ」さん
> 「当式の通信講座の修了生のKさんは、高速度競技会で優勝」云々
そんなに悟り切ったような気持ちでもなかったんですよ。
当時の協会理事長さんに別件で連絡することがあり、そのときに実はあれはこういうことなんですよと、事実をお知らせしたことはありました。
ただ、お立場のせいか、当方から抗議をしたように思われて、その後、何かの折に「直情径行」と評されて戸惑ったことがありました。
KさんがW式速記を学習し、それを使いこなした上でさらにV式を習得した。そして、たまたま競技会に参加したときに使っていたのはV式ということでしょうかね。
いずれにしてもKさんの速記人生におけるご努力の賜物なんで、賞すべきはKさん個人です。
V式はおかげで一人前の方式として認められるようになりました。Kさん、ありがとうございました。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「失恋魔術師」さん
> 私も縦の線は好きではありませんが、日本で派生した幾多の速記方式を支
> えてきた線でもあります。「必要悪」というような言葉で片付けてしまうと
> 縦線がかわいそうですね。" ^_^"
個々単独の線での書きよさと単群内での書きよさとがあるように思います。1つの方向に書き始めた線は、次には逆方向に戻っていく方が書きやすい場合も多く、主役もいれば脇役もいて、それぞれに適材適所におさまるのが一番いいんだろうと思っております。
例えば左横書きの確立しているアルファベットの筆記体は、主として左回転が中心のものが半分以上を占め、全体として「右上向・右向・左下向」の3方向で構成されて連綴しやすくしてなっていると考えられます。
ちなみに、縦書きの平仮名は右回転中心のものが半分以上で、下向線に中心です。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「Myamo」さん
> むしろ同じ方向に線が続くと(直線で2 つ、曲線で3 つ以上)書きにくさ・
> 読みにくさを感じ、紙面積も喰うので、同じ方向の線ばかりが出現しないよ
> うにする工夫の方が重要ではないかと思うのですが、いかがでしょう。
V式は、同母音が同方向なので、基本文字の段階では同方向に伸びて煩わしいんですが、次の段階で同列縮記法を施せば、「多使用の同母音連続」を簡単に、「書きにくい同方向線の連続」を書きやすく、ひいてはそれが「読みやすさ」にもつながり、「一石三鳥」の解決策となるのではないかと思いました。
先日も話題になりましたが、中根正親先生の「法則をつくることは甚だ簡単であるかも知れないが、其の法則中,最も価値ある法則を少くつくるといふことは比較的困難である。速記法則としての価値は、法則の数が少くして其の結果が偉大であるといふ点に存している。」という言葉を念頭に置き、それに一歩でも近づけるようにと工夫したつもりなんです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「たかひろ」さん、「失恋魔術師」さん、「Myamo」さん、40年ほど前に皆さんとお会いして、一緒に1つの速記方式をつくり上げることができたらよかったのにと思いますよ。
ええっ! 「私はまだ生まれてない。」って……?
お会いしたことがあるのかどうかわかりませんが、いつか語り明かしたいものです。8月の「速記科学研究会」は参加されるんでしょうね。
抜き足差し足、さっそく書いてみていただけましたですか。
ぬきかしさしかし、なら、もっとスムーズに融合による一線化ができるのですが
世の中そううまくはいきません。(^_^)
その場合に、アがやや丸くなってカに読めてしまっても、音がにているので
初めに誤読しても、正しい発音が推測しやすいというわけです。
それが類似音類似線の良いところです。
なお、抜き差し、なら、キとサで非常になめらかな融合による一線化ができますね。
タシカ、なんかもタとシは鋭いリターン、シとカは融合、ということで書きやすいです。
なりたい、何か、なども、そういう感じですね。
それから、促音で、音声面での仲間はずれは「sの直前の促音」です。
では、日本語においてその促音は他のすべての促音と比べて、
どう違うのでしょうか?
答えを聞くと、誰でも「確かにそうだな」と思います。
でも、そんなことを意識する必要がないので、普通は誰もそれに気が
ついていないということです。
ま、これは日本人に限らず、何語人でもsの前の促音は、そうなると思いますが、
ただ促音というくくり(概念)は世界の言語のうちでも珍しいと思います。
西欧語にも中国語にも韓国語にも、もちろん促音というものはなく、ある場合には必然的にそのような発音になるというだけのことです。
Myamoさんに
V式で、抜き足差し足、と全部続けて書くと
融合による一線化を3カ所使えて、5つの曲線となり、しかも、
曲線と曲線とは鋭い戻しでつながりますから
見事な速記線になります。ナンの省略法も使わずにこうなるのです。
もしも他の方式で、省略を使わずにこれを書いたらどうなるでしょう。
なお、ヌキアシサシアシは、8音節となりますが、日本語学では
これを8拍といいます。
音節というのはもともと西洋語における音韻の単位で、
日本語にこれを持ち込むと紛らわしくなることがあるからだそうです。
ここでMyamoにクイズです。
日本語で、促音のうちで、一つ音声的に仲間はずれの促音があります。
それはどういう場合の促音でしょうか?
Myamoさんがおっしゃるように
石村で「過去から」の場合には、水平の直線が3つ連続します。
シャープで書くならW式で言う「ゆりつぎ」、
ペンで書くなら鋭角の小さな段差を設ければよいのですが、器用な人でないと
難しいかもしれませんね。
結局「過去」に特定の略字を作り、「から」にはサインも設ける、というのが
解決策となるでしょう。
またSDSDで、和語に多い同じ母音の連続に対しては、
インツクキの省略を同列省略に応用するということがあります。
若さ、をワクサ、アタマ、をアツマと書くという具合です。
また、V式では下記のような連続音は、グレッグでのKRやPBのような融合に
よる一線化が使えます。
ナカ、ノコる、ハカる、シニたい、キリ、よロコび、くラサ
それと、和語にはア列音とイ列音の組み合わせがよくあるのですが、
その場合にV式では鋭いジグザク、か融合による一線化かのどちらかで
処理できることが多いので好都合のようです。
> 水平線ならサインでうまくつながっていればいくらつづいても平気、ではないでしょうか。
間にサインが入れば問題ないのですが、折衷派や単画派の文字の場合はいつも都合良くそこにサインが
付くというわけにはいきませんので・・・、石村式の文字だと「過去から」などを基本文字だけで
書く場合の連綴のしにくさです。1文字づつの書き易さでは横水平の「カ」、「コ」など最も
書き良い文字のはずなんですが、単語となると・・・。
母音の同列出現頻度で言えば「ア」列が一番多いのですが、それ以外の母音が続くケースも
日本語には多々あり、そのため同じ方向に向かって線が伸びていきやすいSVSDの方式を作る
場合は、一番神経を使われた部分だったのではないでしょうか。
Myamoさんからさっそくアンケートにお返事をいただきまして
ありがとうございました。
線の方向の違いによる書きやすさにはあまり差はない、というのが
Myamoさんの回答でした。そうですか……。
4〜5mm程度の線なら、私も同じ回答になるのですけれど……。
他のかたがたの回答もよろしくお願いします。
それから速記で同じ方向の線の連続の件ですが、水平線ならサインでうまくつながっていればいくらつづいても平気、ではないでしょうか。
和語でア列の音が連続することがけっこうあります。
アタマ、さかさま、なかま、たから、わかやま
などです。それで、私はSVSDでの基本文字案ではア列に3時の線を当てた、ということもあるのです。
それから横書きで縦線が多いと不利、というのはあくまで速記(どちらに伸びるかわからない不規則な連綴となるのが原則)に関することであり、ローマ字筆記体では縦の線を90度っぽく書いてもさほど書きにくくないのです。
それは、一つには縦の線の長さがせいぜい1cmくらいまでしかないから、だと
言えるでしょう。そして、その場合には水平の横線というのはほとんどなく、
縦の線が主体になると言えます。
また元来縦書きであった漢字は横線が縦線の倍くらい多いわけですが、
(だから横画をほしくしてある明朝体が読みやすいわけです)
それは速記文字ではないから、というのも一つの理由だと言えます。
横書きのローマ字活字体もどちらかと言えば縦画が主体だといえます。
「線」に対する白熱の議論、楽しく拝見させて頂いてます。
つい、釣られて・・・私も
2時、3時、4時、6時、7時方向の線って、そんなに書きやすさや速度に差が
あります?
プロポーションと要する紙の面積で言えば、横書き速記の場合は
縦線が、縦書き速記の場合は横線が多いと不利になるのは明白で
異論はありませんけど、書き易さという点で言えば、そんなに大きな
差があるとは思えないのですが・・・。
むしろ同じ方向に線が続くと(直線で2つ、曲線で3つ以上)書きにくさ・
読みにくさを感じ、紙面積も喰うので、同じ方向の線ばかりが出現しないように
する工夫の方が重要ではないかと思うのですが、いかがでしょう。
横書き速記に縦線ばかりが続くと悲惨ですよね。
初心者の方がこれから学習する速記の方式を選択する場合に、方式の長短を
理解して決めるのは難しいでしょうから、線のプロポーションは選択肢として
重要なファクターになるとは思いますけど。
ではこうしましょう。
15mm程度の単純な線(直線や曲線)で、
方向別に書きやすいと感じる順に並べてみていただけませんでしょうか。
ただし、2時3時4時6時7時、以外の線ははずしてください。
もちろん、横書きの符号速記において、という条件は含んだ上での話です。
右利きの私が書きやすく感じる順番は、7時、2時、3時、6時、4時、の順です。
これは「アンケート」としましょう。
みなさんのご回答をお待ちしています。