国民の速記、みんなの速記とはどんな速記か?
あえて言うなら、あえて設定するなら
中根康雄さんの簡易速記でしょう。
あれしか私には思い浮かびません。
たかひろ、いわく
ナンでもよいから、たとえば、5分間の話を( )時間あとに、原稿として提出する、というような検定や競技に変えるべきでしょう。
たかひろ
ここで言う「原稿」は当然ですが活字原稿です。
となると、必然的にパソコンのワープロソフトで作ってそれをプリントアウトしたもの
になるでしょう。
「速記士」というよりも「言語記録士」がよいでしょう。
「情報記録士」だと、映像的な情報まで含まれてしまいそうですから。
グレッグ式の場合、その普及に当たって、まずそれを教えられる人の
養成から始めたと言います。
統一式を作ったとして、それを教えられる人をどのように養成するのか、
その現実的な方法論がなければ、まさに絵に描いた餅です。
統一式は、「あってもよいけれど、作ってもあまり効果はない」と私は思います。
なぜなら、符号速記そのものが、国民の中のごく一部の人の趣味、のような
規模にまで縮小してきているのが現実で、統一式を作ってもその状態を
V字型に回復できるように思えないからです。
統一式を作るにあたってのいろんな確執とか思惑とかなんだかんだのもめ事を
考えると、作らない方が賢明、とも言えるのではないでしょうか。
それと日本速記協会は、「速記」の概念を広げて、
手書きの符号を使わなくてもかまわない、言葉を定着させる手段は
ナンでもよいから、たとえば、5分間の話を( )時間あとに、原稿として提出する、というような検定や競技に変えるべきでしょう。
日速協が符号速記保存協会になってしまっては、行き詰まりは目に
見えていると思います。
符号速記がオカミから「保護」されるものになってしまったら、
ますます足腰が弱くなって衰えていくでしょう。
社団法人日本速記協会機関誌「日本の速記」7月号に、第2次21世紀開発委員会記録(平成16年5月22日開催)の2回目が掲載されております。
この中で、
「みんなの速記」の普及を
○K委員 私の意見は、きょうも資料を出したし、総会のたびに申しているが、なかなか進まない。それぞれの式があって、長所短所、いろいろある。おれがやったのが一番すばらしいとみんな思っている。それを各自の式をやめて、集中して何百万もの中学、高校生に教えて、その中から1,000人でも3,000人でも書けるプロが残って、記録事務の調整から最終的に文字化、印刷まで責任持ってやるべきじゃないかという発想もある。
ただ、手書きの符号を統一して「みんなの速記」にすると、今までの創案者とか普及者の蓄積を無視したり、阻害したり、不利益を与える。そこまで協会がすると、創案者の尊厳や自己実現の生きがいを奪ってしまうのじゃないかと考えて、私も悩むところだ。
このままの状態だと速記の底辺は広がらない。速記は必要だから消滅しないが、ふえない。「みんなの速記」とか統一符号が玉虫色で重なっている。統一符号では地方のいい式が埋没してしまうとか、不利益になっていくので、ああでもないこうでもないと数年間言ってきたが、その辺、「みんなの速記」を本気で出してやるのか打ちどめか、方向を決めていただきたい。やらないならやらない、やるならばどういうふうにやるか、かくあるべき、こうありたいと理想を掲げて、現実はこうだと、このギャップをどう段階的に埋めていくのか。その辺について決着をある程度つけてもらいたい。
○委員長 今、標準方式、藤一方式、「みんなの速記」、1つの方式を新しくつくり上げて国民みんなが使える第三の文字のような速記を考えて、普及しようという構想に対しての御意見を聞かれたが……。
○N副理事長 ここで論議しなくても、そういう考え方があるということしで今後議論していけばいいと思う。
○委員長 簡単に決着がつくもんだいではなくて、多数決で決定しても不十分な結果になることが心配されるので、優先順位に話題を戻したい。
高速入力検定の立ち上げを早く
○委員長 (略)
○N副理事長 (略)
○委員長 機械入力検定を18年4月以降のテーマとして考える。
○K委員 今から30年ぐらい前の速記全盛期時代には、N県内の高校で14校、生徒で350人から400人集まって速記の競技会をやったが、現在速記部があるのはN商業高校1校しかない。そんな状態で高校の速記の生徒をふやすなんて困難だし、やっておる生徒がいないのが実情だ。符号速記を習う人が余りいない。
しかも、日速協でN支部があって、年2回検定試験をやっても1回1人か2人、年鑑で5人受ければいい方だ。受けるとしても、高校3年生の優秀な生徒で3級しか受けられない状態で、わざわざ金を出してN市とJ、Kから来る人はあり得ない。分試験場をつくるどころか受験者がいない。
私は美術専門学校で教えていたが、半年間、週2回やっても分速180から200字が精一杯だ。歯が立たない。全然役に立たない。特技にならないのが実情だ。
こんなことでは速記の検定なんかやめて、符号速記はちまちまっと何々式の速記を自分のところへ来る人に教えて、消滅しない程度でいいんじゃないか。情報記録士協会で電子記録士検定でもして、肝心かなめの符号速記がこんな状態であれば、速記協会という名称自体がおかしいんじゃないか。私はこうなりたくないが、将来ビジョンに関連してくるから、実情をお話しした。
○委員長 先進国共通に言えることは、速記を学ぶ人が減ってきている現象があって、日本だけが悪いのではない。しかし、速記符号を書く者として後継者に伝えていけないのはつらい。市場ニーズに合っていないから衰退しているとの見方は客観的だが、我々自身が努力すべきことを怠っていることも一因かもしれない。
何とか挽回するために、「みんなの速記」というアイデアが出たり、高齢化時代で我々の世代も定年を迎えつつあり、ボランティア的に第二の人生を速記を教えて何とか我々の文化を伝承し続けたい方もいるので、小さな現場での努力が全体となって速記の再生につながる道だと思う。
(後略)
社団法人日本速記協会の会員でない方もおりますので、必要な部分を「転載」しました。
「統一式」についての意見があればハンドル名でお書きください。
今日の夕方、私はバネの例を挙げましたですね。
あれは、無心になって実際に書いてもらうと「なるほど、どちらも書き安さは同じだ」と
感じてもらえたはずなんです。
たとえば、万年筆の書きやすさをチェックするときに、左から右にバネの
形をくるくると書いていくとして、右回転で書く人の方が多いと思います。
で、そこからが大事なんです。
しかし、現実にローマ字筆記体は左回転が多い。左下へおろす線もあり、
右上に跳ね上がる線もある。だったら右回転でもよいはずなのに。
なんでだろう?と考えてみる。
私は「なんでだろう」と考えることが大好きな人間です。
魔術師さん
ローマ字の筆記体は、起筆した位置から上の方向(2時方向)に向う線が多く使われています。…「しゃくり上げる運筆」
たかひろ
そうでしょうか、ローマ字筆記体である文字と次の文字をつなぐ線の場合には、おっしゃるように左下から右上のしゃくり上げる感じになりますが、文字の正味においては、右上から左下におろす線が多いです。
魔術師さん
右利きの場合、時計の中心から2時に向う場合は「左回転」、7時に向う場合は「右回転」の方が「書きやすい弧」であることは明らかだと思います。
たかひろ
たとえば、V式でコンナと書くよりもノンナと書く方が明らかに書きやすいです。
その場合は2時方向の線は右回転の方が有利です。
ですから、この魔術師さんの説明は、線単独のことについての話だと受け取ります。
で、なぜ水平方向の線は右回転よりも左回転が有利なのは明らかなのでしょうか。
たとえば、V式のノを、グレッグ的に書く場合とピットマン的(原始中根的)に書く場合では、話がかわってくるのではないでしょうか。少なくともピットマン的に書く場合であれば、左回転が有利という理由は何もないと思います。グレッグ的に書くのであれば、連綴なしで考えても、左回転の方が有利でしょう。左から右に進む横書きの速記においては。それは搬送線を考えればわかるでしょう。
また、ローマ字筆記体で左下におろす線で、左回転は多いのですが、横書きの速記で、左下へおろす線を単独で考えて、線尾にサインを付けないとすれば、次に符号への搬送を考えると左回転の方が有利になることは「明らか」です。
しかし、前回私が問題にしたのはあくまでも、下記のことです。
たかひろ、いわく
> たとえば、横書きでバネみたいにぐるぐるとまるく線を連続して書いていった場合、
> 右回転でも左回転でも、その書き易さは変わらないように感じるのですが
> では、なぜローマ字筆記体では左回転が多いのでしょうか。
魔術師さん
ローマ字の字形が「しゃくり上げる運筆」の線が多いということで、必然的に左回転が多くなっているのではないかと思われます。…「書きやすい弧」
たかひろ
左下へおろす線も多いので、この説明は説得力が少ないと思います。
魔術師さん
ひらがなの場合は、そのほとんどが左上で起筆し、一文字を右下で終筆します。よって、ひらがな同士を繋ぐ際には、終筆から次の文字の書き出し位置(左上)までを細い線(連綿線)で連結させます。この連綿線の多くが7時線です。
たかひろ
その7時線が、なぜ右回転が多いのでしょうか。
どうも、魔術師さんのご説明は、まず「ローマ字筆記体は左回転が主、ひらかなは右回転が主」という事実ありき、のように感じてしまいます。
ローマ字の小文字のeを筆記体で連続して書くのも書きやすいですが、それを書いた紙を上下逆に180度回した形を書くのも同様に書きやすいです。
たとえば、先生が生徒の答案に右あがり楕円の「丸」を付けるとき、右回転で書きますよね。
横方向に丸を付けて進んでいくときでも、やはり同じです。
ですから、横書きの筆記体だと左回転の方が書きやすいと言うのは、あくまでも現実のローマ字の筆記体の文字を見てそう言っているだけではないかと私は思います。
とはいえ、しかしながら、実際にローマ字の筆記体は左回転が多い、ではそれはなぜなのか。
その謎を解くカギはアラビア文字にあります。
アラビア文字は右から左に進む横書きですが、右回転がおおいのです。
ではなぜアラビア文字は右回転が多いのか……。?
それはもちろん「ローマ字とは進む方向が逆だから」なのですが、
ではなぜ、現実のローマ字やアラビア文字で、右進横書きなら左回転が多くなり、左進横書きなら右回転が多いのか。そこが問題の急所なのです。
ヒント:ローマ字筆記体で左回転が多い理由は、文字の( )の位置(高さ)が関係するのです。
(すいません、これ、私は正解を用意しているクイズなんです。わからなくて質問したのではありません。
すみませんでした)
緑匣さん、ありがとうございます。
たかひろさん、こんばんは。
諸先輩方の言われるように、
ローマ字の筆記体は、起筆した位置から上の方向(2時方向)に向う線が多く使われています。…「しゃくり上げる運筆」
一方ひらがなは、起筆した位置から下の方向(7時方向)に向う線が多く使われています。…「振り下ろす運筆」
右利きの場合、時計の中心から2時に向う場合は「左回転」、7時に向う場合は「右回転」の方が「書きやすい弧」であることは明らかだと思います。
> たとえば、横書きでバネみたいにぐるぐるとまるく線を連続して書いていっ
> た場合、
> 右回転でも左回転でも、その書き易さは変わらないように感じるのですが
> では、なぜローマ字筆記体では左回転が多いのでしょうか。
ローマ字の字形が「しゃくり上げる運筆」の線が多いということで、必然的に左回転が多くなっているのではないかと思われます。…「書きやすい弧」
ひらがなの場合は、そのほとんどが左上で起筆し、一文字を右下で終筆します。よって、ひらがな同士を繋ぐ際には、終筆から次の文字の書き出し位置(左上)までを細い線(連綿線)で連結させます。この連綿線の多くが7時線です。
もし、縦書きの速記を創案するのであれば、7時方向右回転の曲線を多用するような方式が有利ということになりそうです。
「連綿線」のような無駄な線(虚線)は速記にはありませんが、この考え方を何かに利用したら新しい速記方式が生まれそうですね。(^J^)
緑さんに
ローマ字(アルファベットはエジプト文字にもギリシャ文字にもあるので、
アルファベット、とはせずに、ローマ字(ローマ文字)と書きます)
の筆記体には左回転が多く、本来は縦書きのひらがなには右回転が多い、ということを
みどりさんはずいぶん昔に指摘しておられ、私はなるほど、と思いました。
では、緑さん、その理由は何でしょう?
たとえば、横書きでバネみたいにぐるぐるとまるく線を連続して書いていった場合、
右回転でも左回転でも、その書き易さは変わらないように感じるのですが
では、なぜローマ字筆記体では左回転が多いのでしょうか。
それを突き止めると、横書きの速記で、曲線は、本当に左回転の方が
右回転よりも有利なのかどうか、ということの答えが出ると思うのですが……。
それと、sの前の促音について、どなたからもお答えがないので、答えを書いて
おきます。
日本語で、sの前の促音では無声音sの発音がとぎれずになされますが、
それ以外の促音では、一瞬音がとぎるのです。