おやじさん、中根式のツとッの件につき教えていただいてどうも
ありがとうございました。
けっこうッツを省略してしまうのですね。
となると「利する」と「律する」、「誇張」と「骨頂」も
同記にしてしまうのでしょうか。
中根式では、「接触する」は詰音を省略して「セショク」とクのツノ出しで書いて、「スル」は、加点法で書きます。
「溶接」はインツクキ法のツの省略(尾部空間)で同じく「スル」のむ加点法です。
「接する」も詰音を省略して、基本文字の「セ」に「スル」の加点法です。
インツクキ法における詰音の省略は、学習初期(中根速記学校では入学して約2ヵ月後に学習)で習います。つまり4月15日に入学して6月の半ばごろに学習します。
加点法を習うのは後期の授業(10月以降)で習います。9月末の前期で9割の法則体系を習います。ちなみに全速記法則は12月初旬に終了します。
緑さん、お返事をありがとうございました。
おっしゃることはよくわかりました。
では、V式では「接触する」「溶接する」「接する」
は、ツの小長楕円と促音をどう使い分けるのでしょうか。
まずは、この場を提供していただいている「道楽おやじ」さん、管理人さん、また滝鞍二さん,園内雄三さんたちに感謝の意を表したいと存じます。
「たかひろ」さんがご意見を出していただき、それに乗って私の方式設計に関する考え方を述べさせていただいております。ひとの褌で相撲をとっているわけですが、決して論争の場としているわけではありません。むしろ別々の思いを主張しているだけかもしれませんが、その点ご寛容・ご容赦ください。
漢字音の2音目の「ク・キ」音、「ツ・チ」音が次に発音される漢字音の第1音の種類によって促音になることがあります。和語音の「……って」「……った」「……っと」は、動詞等活用語の音便のような感じですか。後に続く助詞によっては促音になっています。大きく分けてこの2種類の系統になると思います。
そんなことで促音「ッ」は、設計当初は「ク・キ」音、「ツ・チ」音の中間の書き方が望ましいかなと思いましたが、適当なものがなく、明治時代からの比較的わかりやすい書き方をそのまま踏襲しました。
> 視察ガ、は、試算ガ、試作ガ、と紛らわしくならないでしょうか。
「ツ・チ (長円) 」は、できるだけストロークにつけて細長く書きます。「ン (小円) 」・「ク・キ (大円) 」等は丸く回転させていくので、同じ回転の線である「ガ」がつくとさらになめらかに書けます。それと区別するためにも「視察ガ」は「ガ」の手前で筆をとめます。大円・小円の区別は、できることが前提です。
> たとえば、サツイ、サクイ、サンイ、のように、
この場合は、かえって「ン (小円) 」・「ク・キ (大円) 」の終わりで一息入れる方が初心者にとって書きやすいと思います。「ツ (長円) 」の書き終わりと「イ」の線が区切りをつけにくいので……。
初心者が素直に区別できる線と点等−−ストロークとサインを材料に組み立てたつもりです。初心者にとって異音同記は、学習するときも読み返すときも頭を使います。速記符号を複雑に思う要因の1つではないかと思います。最初の間は理解しやすいもので進むのがいいと思いました。それでも、速記符号というのは、漢字や仮名と違い単純なもので手掛かりが非常に少ないものです。大円・小円の区別もしにくいという人もいますので、基礎の段階でもどうしてもいろいろな技法というか、コツのようなものが必要です。これにいろいろな書き方を加えると、さらにいろんな手法が必要になって学習が混乱してくるのではと思いました。
といって、まるっきり否定するものではありません。次の段階では皆さんで大いに使っていただいたらいいと思います。ただし、理解できる人とできない人、理解しようとしない人もいます。講習会的なところでは月数回ですから、家である程度やらないと忘れてしまいますので、毎回同じことを繰り返すことになりかねません。
速記のおもしろさ・楽しさに、はまれる人とそうでない人がいますので、はまった人はほうっておいても進むし,そうでない人はいつまでも同じところをぐるぐる回って前に進めないケースも多いかと思います。
「たかひろ」さんの高度なご研究の立場から考えれば、V式はもっともっと改良する余地があるでしょう。自他ともに認める骨格のみの方式ですから、どんどん肉付けをしていただいて結構です。(私の体の話ではありません−−念のため。)
「たかひろ」さんのような人がもっともっとふえれば、速記は衰退しないのではと思うのですが……。
おやじさんに
具体例とは、これです。
>おやじさん、中根式では、「接触する」「溶接する」「接する」
>は、それぞれツの逆記と促音をどう使い分けるのでしょうか。
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なお、以前私があるところに「詰音」と書いたら、「耳で聞くと『吃音』と
同じになり、誤解されるといけないので『促音』と書く方がよい」と言われ
それもそうだなと思って、以後私は「詰音」と書かないようにしています。
日本語学でも「促音」の方が通りがよいようです。
道楽おやじさん、中根式におけるツとッの区別についての解説をありがとう
ございました。
で、私が尋ねた下記の具体例については、どうなのでしょうか。
中根式では、○ツはインツクキ法、○ッは詰音で書きます。
インツクキ法の中には詰音を省略して書く法則があります。
発展=ハテン、復活=フカツ、決定=ケテイ 熱心=ネシン 等々。
また、中根速記学校の法則として、「○ッ○イ」として、詰音を使用して「イ」を省略する書き方があります。
一切=イッサ、絶対=ゼッタ、でっかい=デッカ
中根式の教科書に掲載されていない法則が数多く残されております。
中根正親著「中根式日本語速記法」(中根式速記法講解)大正5年2月発行及び中根正世著「通俗 中根式速記法」昭和2年11月発行では、詰音はインツクキ法の一部に含まれておりました。
「通常音」と「詰音」に区別されております。
「通俗 中根式速記法」の71ページには
ツには、ケッカ、ジッシのように詰まって出る場合と、セツビ、シサツ、シンサツのように普通に出る場合とがあるから、まず通常音から説明していく。
と書かれております。
中根式では、詰音がインツクキ法から分離されたのは、中根正世著「中根式速記読本」昭和9年7月発行からです。
「間接」のセツは、「接触」となるとツのあとにsが来ているから、セッになる。
これは前から分かっていたことですが、下記のことには
いま初めて気がつきました。
「溶接する」となると、そのあとにsが来ているにも関わらず、ッではなくツ
となり、また、「接する」となると、そのあとにsが来るのでッになるのです。
これは「解決した」と「決した」、「発達する」と「達する」、
「制圧して」と「圧して」など、例外のない規則のようです。
となると、字音の2音めのツのあとにsが来た場合に、それがッに変わるかどうかと言うのは一概に言えないということになります。
日本語って、おもしろいですね。
で、○ツと○ッの表記については、こういう現象からして、
同記を容認するのがよいのか、書き分けるのがよいのか、
ううん、難しいですねえ。
おやじさん、中根式では、「接触する」「溶接する」「接する」
は、それぞれツの逆記と促音をどう使い分けるのでしょうか。