・1月13日『雑感』より
「そこで、ここに、主なる頭文字だけを書いて他の部分を省略してあるぞという目標にするために、文字と文字の中間に小カギをつけて結び合わせることにするのであるが、……」
・『概要』より
「省略しようとする言葉の中の任意の2音を、1/3丸カギによって結びあわせる方法である」
「主なる頭文字」・「任意の2音」を摘出する際の、基準となるような法則めいたものはあるのでしょうか。
例えば、四文字熟語は1字目と3字目の頭文字(深慮遠謀…シエ、頭脳明晰…ズメ)、四文字の副詞は頭と尻(きわめて…キテ、とうてい…トイ)、な〜んていうふうに法則化(?)できれば、非常に作りやすい(設定しやすい)のですが……。
「省略法」というものを、非常に大雑把に言ってしまうと「摘記略法」という括りに大部分が属してしまうと思いますが、
1.頭音摘記略法
2.尾音摘記略法
3.頭尾音摘記略法
4.前音摘記略法
5.後音摘記略法
6.択音摘記略法
といったこれらが、使用者の個々の感覚(フィーリング)ではなくて、「ある法則」に従って、こういう場合はこの略法を使う、なんてことを決めるのは無理なんでしょうか?
「中根式速記法概要」の「35.平行法」についてお答えいたします。
「アジア・アフリカ」は「ア」を2つ並べて書きますが、単独の場合には別の書き方があります。
「アジア」はインツクキ法の「チ」(有尾小円)で「アち」を「25.9u略法」で書きます。
「アフリカ」は「24.各行縮記法」ハ行縮記法の「逆大カギ」で「アふ」を9u化して書きます。またはハ行縮記法の「アふ+カ」でも書けます。
ハ行縮記法では「アフガン」は、「アふカん」。「アフガニスタン」は「アふタん」と書き分けます。
「連日連夜」と「連戦連勝」は、同形ですが、どちらを使用してもかまいませんが、書き分け方があります。2番目の「レ」を頭にそろえた形と、「○ン○ン」と同じく中部空間で書く方法があります。
「連日連夜」は、「レ」の頭をそろえた形にして、「連戦連勝」は「レンセン」で「ン」が入っているので中部空間の方を使用された方がわかりやすいと思います。
また別の方法としては、どちらかの「レ」に小円をつけて書く方法もあります。
あらかじめ速記文字を習熟しておけばよいのですが、とっさに出てきた場合には、基本文字のままで書いてもかまいません。
省略法が使えない場合には基本文字で書いた方が無難です。書き終わってから速記文字を書いて習熟しておきましょう。
逆にとっさに省略をして書くと、反訳時には読めなくなる場合もあります。
特に「9u略法」及び「中間小カギ」などは速記文字をあらかじめ決めておかないと、反訳時に読めなくなりますので、臨時的には使用しない方が無難です。
紛らわしい速記文字は、あらかじめ別の形にしておきましょう。
「中根式速記法概要」は、あくまでも「概要」ですので、詳細な説明をしておりませんし、私が使用している体系の一部分を簡単に紹介しているものです。
私自身が使用している法則体系で掲載をしていないものもあります。「概要」は容量の関係で法則体系を抜粋したものです。
いつも丁寧な解説ありがとうございます。
「中根式速記概要」の「35.平行法」に、「アジア・アフリカ」というような例
が掲載されております。
「キャク」と「キョク」に同形の省略文字が使われている方式を目にしたことが
あります。しかしこれでは、「脚線美」を「曲線美」と誤訳する可能性が大きい
ので危なっかしいですね。
同様に、徹夜マージャンの話題を速記するような場合、「連日連夜」と「連戦
連勝」は非常に危険だと思いますが……。
朗読文や発言の中に、アジアとアフリカが混在して出てくるような場合、この
方法では対処できないと思いますが、咄嗟の場合にどういった対応をしたらいい
のでしょうか。
速記方式名における基準についてお答えいたします。
「○○式」「○○案」「○○派」については、実用化されたものを「○○式」、実用化しなかったものを「○○案」と区別をしております。
我が国の速記界では、多くの速記方式が発表されて自然消滅をしております。母式の一部分を改良して「○○式」と名乗っている方式もありますが、独創的な速記方式となると方式数はかなり少なくなると思われます。
田鎖式系統でも「○○式」と名乗っている方式がありますが、一括して「田鎖式系諸案」という分類ができます。
単行本等でも「○○式速記法……」「○○式速記術……」と書いているものもありますが、本の中身は「○○案」というものもあります。
「○○派」は、1つの方式内部で研究・改良をされたものであり、研究者自身が「○○式」と名乗るかどうかだと思います。母式の速記法則を研究・改良していても、母式名を名乗っていれば「○○派」と解釈をしております。
1つの速記方式でも長い歴史を持っている場合には、研究者・改良者によっていろいろな書き方が生まれてきます。研究者が「母式」を名乗っている場合には「○○式○○派」「○○式□□派」「○○式△△派」の場合は総称して「○○式」と分類をしております。
「○○派」という言葉は、1つの方式内における速記法則の細かい分類方法であり、「派」があるから「派閥」ができるという性質のものではありません。
速記方式の呼び名についてお尋ねいたします。
「速記道楽」の中に紹介されている色々な方式名を見ますと、「○○式」と表記
されているもの以外に、「速記方式問題レベル1(1)」の中の第5図「藤木案」
のように、「○○案」というものがあります。さらに、「○○派」といったもの
もありますが、どういった基準や判断から、呼び名が区別されているのでしょう
か。
新年おめでとうございます。
日本速記協会のもと「日本速記120年記念会」の「速記関係文献目録」が昨年できあがり、資料の調査を行った際にいろいろな方式が出てきた。日本速記120年間の速記方式のうちあまり有名でなかった方式をこの際何らかの形で提示していきたい。その際このホームページを少しだけでも使わせていただきたいのでよろしくお願いします。またさらに研究会で公表する時に私が持っていないものがあれば資料の提供もお願いします。
1月2日 直線一気
読者の皆様、あけましておめでとうございます。
昨年中は、皆様の熱いご支援により短期間でアクセス件数は予想以上を上回りました。
ことしも「速記道」に精進をいたし、速記道楽度指数のグレードアップをはかります。
いろいろと新しい企画等も考えておりますので、お楽しみください。
速書きの 道にハマりて 幾とせぞ(おやじ)
新年、明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。m(_ _)m