いろんな速記方式 ( ≒ 流派 ) の存在 ・・・ 「 多様性 」


 さて、田鎖76年式でも、もちろん略字以外は 「 音字 = 音そのものを表す 速記文字 」 をそのまま書くわけですが、長音が基本的に離筆なく書ける体系で あること、外来語音 ( ティ、トゥ、ファ等 ) に相当する音字もほぼ用意され ていること、各列の長短のサイズや形態上の特徴づけが比較的明確であること ・・・ 等々により、十分判読しやすい方式となっているのも田鎖76年式では ないかと感じます。

 半面、小さなフックや各子音のストロークの曲直の書き具合がいい加減だった り、符号のサイズを余り縮めて書いたりすると、判読に困るといったようなデリ ケートな箇所もどうしても出てくる ・・・ こういった実際に書く段階における 注意点といったものは、他のどんな方式にあっても同様に通ずるところの注意点 でもあり、そういった意味ではどの方式も五十歩百歩、似たり寄ったりとも言え るのでしょうけれど。

 とにもかくにも、例えはどうかとは思いますが、生物界の 「 種 」 の保存 ・・・ そして 「 多様性 」 ・・・ いろんな方式が存在するということ自体 が素晴らしいとも感じます。