速記実用化 〜 洗練化に向けての先人の歩み


 どの速記方式も、その創案者や改良者の並々ならぬ一歩一歩の努力の足跡や、 また、速記文字自体に対するこだわり、情熱が手に取るように感じられたりして、 「 人間による手づくり感 」 が何とも言えないですね。

 明治の時代に本格的に始まる日本の速記は、欧米の速記方式からの翻案的な部 分もあったとはいえ、言語体系が全く異なる ( 日本語と英語はほぼ正反対と言 ってもよいかと思われますね ) ものを出発点として、ある意味、いわば 「 ゼ ロからの出発 」 を切ったのでした。

 そしてその出発は、常に実用化を目標に、実用化を夢に、その目標や夢を現実 化する熱意に溢れていました。

 そんなすべてに対し、尊敬の念 またしては慰労の念といったものが自然に湧 いてまいります。

 さらには、速記法を発展させてきた人々への敬意を素直に感じている自分自身 の思いをこのようにして少しでも言葉にあらわす機会を持てることもまた、幸い なことであります。
 
 今回の 「 田鎖76年式速記法 」 に関する記事は、ある方との、ある速記サ イトの掲示板でのやり取り、掛け合いがその発端、原動力であり、口火を切るき っかけとなっております。

 このことはまた、聞いてくださる方の存在により、思いを書き記す力が何倍に もなって自然発動したかのように動き出していくことを如実にあらわしています。