速記講座【27】 「はもの」は使いよう

 ○○に「はもの」とか、△△と「はもの」は使いようとか申しまして、世の中 はいろんな人がいるものだそうで、中でも人でなしに刃物を持たすといろんな事 件が起こりますな。

 落語の「まくら」というわけじゃありませんが、今回は「人」でなしに「はも の」の方の話です。「はもの」といっても助詞の「は・も・の」の方ですが……。

 日本語は助詞の使い方1つで意味が全く違うものになることもありますね。微 妙なニュアンスを表現するのに欠かせないものです。

 この講座に出てくる速記文字では、ほとんどの助詞に比較的簡単な線が当ては められているわけですが、中にはそうでないものも少しあります。

 「は」は発音どおりということで半円形の「わ」です。「も」も長い線ですか ら、頻繁に出てくると煩わしいものです。また、「の」の長さは「も」の半分と いうことで、「も」とは間違わないようにしなければなりません。

 そこで、この3つだけはさらに簡単な符号が当てはめられて、書きやすく読み やすくされています。

 助詞「は」は、「わ」をさらに小さくした形です。

 助詞「も」は、「も」をものすごく短くした形です。言いかえると助詞「は」 に使われた符号の上下を引っくり返したものです。

 助詞「の」は、逆方向−−時計の短針で言えば10時から12時の方向になります か、その方向に少しはじいたものです。「ン」や「ッ」、「長・ク・ツ」音など のついたものの場合は基本文字のままです。