速記講座【10】 サ・タ行(カ・ア行の半分の線)


 ところで、促音「ッ」の書き方がまだでしたね。一度「ッ」の1音だけ発音し てみてください。

 どうです、できましたか?

 ええっ? 詰まった音は出ないで、自分自身の息が詰まったって……?
 そうですね。普通の「ツ」は発音できますが、小さく書かれる「ッ」は発音で きませんね。あるようで、ないような「ッ」をどう書きあらわすか。

 これは音と音の間に空白があるような感じですね。そこで、速記文字でも字と 字の間を離して、前字のしっぽに後字の頭を交差したり、平行したりしてあらわ すんですよ。

 「ッ」というのは、漢字音の「ク・キ・ツ・チ」が変化したものや、動詞や形 容詞、形容動詞の活用で「て」や「た」に接続するときに促音便として、あるい はまた「○っと」「○○っと」「○っ○と」「○っ○り」のような擬音語・擬態 語などにも出てきますね。(「○」は仮名1字をあらわすものとする。以下同 じ)