速記講座【6】 ア列・オ列・ウ列

 それでは、「ア列・オ列・ウ列」を振り返ってみましょう。

 「ア・カ・サ・タ・ナ」は、右上向き30度の2時の方向に進む線でしたね。
ローマ字で書くと「a ka sa ta na」で、「アー・カー・サー・ター・ ナー」と声を長く延ばして発音すると、すべて「ア(a)」の音になりますね。

 「オ・コ・ソ・ト・ノ」は、真横の3時の方向に進む線でしたね。
ローマ字で書くと「o ko so to no」で、「オー・コー・ソー・トー・ ノー」と声を長く延ばして発音すると、これも「オ(o)」の音になりますね。

 「ウ・ク・ス・ツ・ヌ」は、右下向き30度の4時の方向に進む線でしたね。
ローマ字で書くと「u ku su tu nu」で、「ウー・クー・スー・ツー・ ヌー」と声を長く延ばして発音すると、同じく「ウ(u)」の音になりますね。

 長さは「ア・カ・ナ」行が7〜8ミリ、「サ・タ」行が半分の3〜4ミリでし たね。「ア・タ」行は直線、「カ・サ」行が左回転、「ナ」行が右回転の曲線で した。

   
 さて、ここまで説明を続けると、「速記って、ややこしいものなんだな」と思 いませんでしたか。でも、こういう理屈そのものは覚えなくてもいいんです。速 記文字を練習していくときに「ああ、こんなものなんかな」と理解しておく程度 でいいんですよ。

 速記文字は、まず正確なものを見て、それを読んで、書いて、またそれを読ん で覚えます。単純な線ばかりで紛らわしく思うかもしれませんが、他の符号との 違いは必ずあるんですよ。

 例えば講座に出てくる図版をA4判の縦で印刷すると、上半分に速記文字等が 印刷されます。それを見ながら、下半分の白紙のところにどんどん書いていくと か、紙面が埋まれば、何か別の紙を使うとかしてください。

 1字ずつ覚えるときは、一番左から右に繰り返し書きつづっていきます。その とき書いている文字の音を口で唱えながら練習するのが効果的です。

 単群(言葉や文章をあらわす一つづりの速記文字)ごと読んだり書いたりして 覚えるのもいい方法です。英単語を覚えたときのようにカードを使うとか、ノー トにどんどん書いていくとか、自分でいろんな工夫をして覚えていってください ね。

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 ところで、曲線の回転ですが、アサガオのつるは左巻きつまり左回転でしたね。 時計は右回転です。ネジを締めるのは右回転、緩めるのは左回転ですね。左ヒラ メに、右カレイ−−いや失礼、これは目のついている側でした。

 台風はどちらの回転でしたかね。ハリケーン、タイフーン、トルネード、それ ぞれどうだったでしょうか。

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 最後に、残りのエ列とイ列をご紹介しましょう。

 お三時のおやつを食べて遊んでいるうちに太陽が西に沈んでいきました。
 「夕焼け小焼けで 日が暮れて 山のお寺の 鐘が鳴る〜」
   

  
 きょうはエ列とイ列が縦の線だということだけ頭に入れてください。