執筆者: deme7 
(EPSEMS速記法考案者)
実に覚えやすい新時代の日本語速記法 = V式速記法


V式速記法の「同列同方向」という発想にはものすごいものがある。

「コロンブスの卵」だ。

以下、記述がいささか専門的にはなるが、ア列(ア、カ、サ、タ、ナ・・・)は 時計の2時方向、オ列は3時方向、ウ列は4時方向、エ列は6時方向、イ列は7 時方向。

多くの速記法で使われるこれら5方向の線を無駄なく、整合性をもって配当して いる。

また、V式速記法の「同列同方向」の恩恵は、書いた速記文字を読み返す際にあ らわれてもくる。

ア列2時方向の隣り合う線はオ列3時方向、その隣はウ列4時方向、その隣はエ 列6時方向、その隣はイ列7時方向。

これらの中で隣り合う列同士は類似音であるため、書線が乱れた場合でも判読を 容易にする。

さらにV式速記法では、速記文字の方向といったこととは別に、例えば「タ行と ナ行とラ行」の場合のように、「タ行とナ行、タ行とラ行、ナ行とラ行」といっ たそれぞれの組み合わせが一種の類似音であり、よって「タ行、ナ行、ラ行」の 3組の行は線の回転方向、形状、長さ等が同種もしくは類似のもので構成されて いる。

もっとさらに言えば、V式速記法では、その他の速記文字の運用面でのルール、 決まり事なども論理的、統一的、かつ整合性の高いものとして非常にシンプルに まとめられている。

これらのこととも相まって、私自身がV式速記法を学習、練習した際の上達ス ピードはとても短くて済んだことを、 はっきりと記憶している。

シンプルな構成を持つV式速記法には、一つの「普遍性」のある速記法としての 存在感をも感ずる。

また、シンプルなだけでなく、いろいろと応用の効く絶妙な速記法として、高速 度速記への展開も確実に有しているのがV式速記法である。